備前県民局 令和3年度 地域づくり支援事業
事業の目的
備前局管内の概ね3市町村において、各一回ずつ映画上映を行う。また、それぞれの地域の特産品などを紹介する出店を併設することで、地域外からの来場者にとっては地域の魅力を知る機会とするが、その場所で観覧すること自体が新しい体験となるイベントとして企画する。地域住民にとっては地元愛を醸成し、未来のUターン移住と地域活性化を担う人材の育成を促進する機会とする。
事業概要
備前県民局管内の3市町において、それぞれ一回、映画上映イベント「瀬戸内ほしのさざなみ映画館 with 備前県民局」を開催した。
・10月30日(土)
イノベーションヒルズ株式会社(吉備中央町)「シャーロットのおくりもの」定員100名
・11月6日(土)
八塔寺川ダム公園(備前市)「ブータン 山の教室」定員150名
・11月13日(土)
牛窓オリーブ園(瀬戸内市)「Away」定員200名
各会場では、その地域、季節に合った食や体験の提供を行い、地域の魅力向上、PR、将来のUターン促進などを通じた移住定住促進の取組とした。運営は主として瀬戸内市移住交流促進協議会が担い、企画や広報、会場との折衝などについては備前県民局と共同で行った。また、会場選び、出店の募集などについては開催地の自治体およびその教育委員会、地域おこし協力隊と連携してこれを行った。また、会場ではドローンによる空撮と、カメラマンによる写真撮影を行い、事業後のPR用に冊子を作成したほか、移住推進におけるパンフレットや動画での活用に供するものとした。
成果・効果
会場 | 事前申込数 | 来場者数 | フード等売上 |
吉備中央町 | 176 | 128 | 112,800円 |
備前市 | 93 | 70 | 59,300円 |
瀬戸内市 | 271 | 187 | 94,500円 |
来場者数合計では昨年の503名から減じて385名となったが、これについては受付数を絞ったことや、昨年に比べて知名度の高い作品だけを上映していないことから、妥当な成果であると捉えている。
昨年よりも前進させた点として、観覧は引き続き無料ながら未就学児を除く全来場者に500円のフードチケット購入を義務付けたことが挙げられる。これにより、開催前に会場全体の最低売上予測が立ち、出店者の材料ロスなどが減らせることとなった。二年間を通じて行なっているアンケートでは、鑑賞料が有料となった場合にいくら程度なら参加したいかを尋ねているが、一人500円程度であれば参加したい、が圧倒的に多く、500円程度の徴収(なおかつフード類としてそれが還る)であれば申込の伸びは変わらないということが実際に確認できた。
また、昨年度に続き、コロナ禍の影響が予測しづらい中での開催地選び、開催準備であったが、それゆえ様々な案が挙がった面もあった。県立高校での開催が一例で、和気閑谷高校、備前緑陽高校、邑久高校と、備前局管内の高等学校の敷地内を会場とする案であった。高校生が主体的に関わりやすくなる点、緊急事態宣言等の状況によっては在校生のみの鑑賞と、一般客を入れての鑑賞の2通りを用意できる点、一般客を入れられる状況で開催できた場合にはオープンキャンパス的な意味合いを持たせて県立高校のPRにつなげられるなど、メリットが多くある案と言えた。備前県民局の協力もあり、三校の教頭教諭への打診も行なったが、学校そのものが年度当初に1年分の計画を立てていること、秋は元々イベントが多いことなどから、三校の日程を調整するのが困難であるために断念した。結果として、備前緑陽と邑久両校の生徒がボランティア参加するに留まったが、各校とは継続的に連絡を取り続けており、別の機会での連携に向けて可能性が広がった。
最終的に会場となったイノベーションヒルズ、八塔寺地区については、今後も同様のイベントによる広報を計画しており、特にイノベーションヒルズについては常設、もしくは定期開催のイベントとして映画上映を取り入れていきたいとの意向がある。初年度、会場とした和気町の「高原の宿ロマンツェ」が今年度は地元企業等の協賛によって自主開催し、今後も継続していく予定であることと合わせ、当事業がきっかけづくりとしての役割を果たしていると考える。
また、当協議会のミッションである移住定住の促進については、初年度開催地であった赤磐市、和気町、瀬戸内市による合同移住相談会がふるさと回帰支援センターおよびオンラインにて開催され、今年度の同センターでの移住相談会の中で最も集客が多かったことや、JOIN移住交流&地域おこしフェアでは瀬戸内市と和気町が共同でブースを出展するなど、イベント後も各市町の連携が良好に進み、結果として協議会としての効果も上げている。いずれも単市よりも県単位での取組としての効果だと捉えており、当事業を備前県民局との協働事業として行ったことの成果であると考えている。
事業費
事業総額 1,666,279円(うち補助金額1,000,000円)